新大阪マンションリノベ
大阪市の新大阪エリアに位置する築43年のマンションをフルリノベーションするプロジェクトです。この物件は、新大阪駅から徒歩7分という好立地であり、子育て中の共働き世帯やDINKS(共働きで子供のいない世帯)、さらには単身者をターゲットにした賃貸物件として生まれ変わりました。
フルリノベーションの目的
このマンションは築年数が経っているため、断熱性や防音性に課題がありました。今回のリノベーションでは、その点を改善し、住み心地の良い空間を作り上げることが目標です。さらに、既存の躯体をそのまま露出させることで、広がりのあるビンテージ感漂うデザインが特徴となっています。限られた63㎡というスペースを最大限に活用し、居室をコンパクトにまとめながらも、家族が集まるリビング・ダイニング・キッチン(LDK)空間を広く取ることで、豊かな時間を過ごせる住居となっています。
空間のデザインとこだわり
リノベーションのデザインは「シンプルかつ機能的でありながらも、温かみを感じられる空間」をコンセプトにしています。まずリビングは、天井の高さを2570mm確保し、既存のコンクリートをむき出しにした上でペンキを塗ることで、天井が高く感じられる開放的な印象を与えています。南側の窓はマンションの共用部に当たるため変更ができませんが、内窓を設置することで断熱性と防音性を向上させています。エコリフォーム補助金を活用し、約3割のコストをカバーすることで、環境にも配慮したリノベーションが実現しました。
ゾーニングで生まれるゆとりの空間
リビングとダイニングの境界は段差を設け、12cm高くなっているダイニングスペースが自然と空間をゾーニングします。ダイニングの壁はホワイトアッシュの無垢板を使用し、温かみのあるアクセントを加えました。キッチンはリビング・ダイニングと一続きのオープンな作りでありながら、機能的でコンパクトな設計となっています。キッチン背面には造り付けの棚があり、ラワン合板で仕上げたナチュラルな雰囲気となっています。
プライベートスペースも快適に
洗面脱衣室は2帖のスペースに洗面台を大工造作で設置し、半埋め込みの陶器製洗面器がデザイン性を高めています。また、玄関はRが付けられた壁が印象的で、柔らかい雰囲気を演出。既存の御影石を活かした土間部分も、クラシックな趣を残しつつ、全体のリノベーションデザインと調和しています。
空間のつながりを大切に
ROOM1は、リビングから建具を使わずに緩やかに仕切られた空間で、R局面の壁が視覚的に広がりを感じさせます。天井はリビングと同様に2570mmの高さを確保し、開放感を演出。チーク突板フローリングの自然な温かみが、住まい全体に統一感と落ち着きをもたらしています。
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リノベーションの総費用
このフルリノベーションプロジェクトには、設計費用やコンストラクションマネジメント費用、解体費用を含めた総額で650万円(消費税別)です。限られた予算内で、機能性とデザイン性の両方を兼ね備えたコストパフォーマンスが高いリノベーションになったと思います。
改修前の様子
解体後の様子