STORY

敷地は徳島市の中心部より車で２０分ほどの郊外で、ちょうど、近くの表通りにはショッピングセンターがあり、敷地裏手には田んぼが広がるような立地。
計画はクライアントの要望もありプライバシーを守りやすい２３坪ほどの小さな平屋のコートハウスとしました。
中庭を挟んで北側にLDK、南側に寝室、個室を配し、中庭はインナーテラスを介して、南側の田んぼに連続する。これにより、中庭が閉じた感じにならず、また、南側からの風が抜け、リビングは、大変居心地のいい場所となりました。

県内で賃貸にお住まいだったが、将来的なこと、賃料のことを考え、また気持のいい住居を求め、土地を購入して家を建てることとなりました。クライアントは事務所のコートハウスの多くの事例を見て大変気に入っていただき、中でも平屋のコートハウスを第一にリクエストされ、その中で好きな北欧デザインの家具、好きな本に囲まれて過ごしたいという思いが強かったように思います。

中庭を中心とした各居室の距離感、中庭と居室との距離感、スケール感、広がりが、生活において心地よいものとなるような平面計画、断面計画、素材感を意識してデザインしています。特にここでは大きな空間を用意するのではなく、程よくゆったりとした気積をそれぞれの居室に合わせて確保し、それをつなぎ合わすよう計画です。

『樋口さんのコートハウスの以前の事例がまさに自分の理想通りの家で、ぜひお願いしたいと思いました。そのまま全く同じプランでも良いと思っていましたが、最終的には周囲の環境や私の要望も加味して、さらに魅力的なプランを提案していただきました。実際に完成した家は、外観もインテリアも上品なデザインで、シンプルなのに素っ気ない感じがしないところがとても気に入っています。樋口さんには漆喰塗りから植栽選びまで教えていただき、またコスト調整や遠方からの監理などご苦労をおかけしました。おかげ様で愛着の持てる自宅になりました。』