住まいを高断熱・高気密化をしていくと、より計画的に換気をする必要性も出てきます。
従来の住まいは、窓を開けて空気を換気をするのが普通なのですが、気密化が進み、多様な建材も近年登場し、建材から出る化学物資が問題となり、建材の規制、計画的な換気の必要性が20数年前に法律化され、24時間換気なる換気計画を新しく建てる家には求められることになりました。
一般的にはトイレや洗面所などの換気扇を24時間運転し、住まい空間の気積を1時間に1/2以上入れ替わるようにします。一方、換気するわけなので、当然吸気口を別に設けて、そこから外部空気を取り入れるものです。
ここで真夏の暑い外気や真冬の冷たい外気を直接入れるとそれだけ空気を冷たくしたり、あったかくしなければならないので、省エネではない。
そこで、1か所に集めた換気する空気から熱を取り除いて室内、室外に空気を出すというシステムが熱交換換気です。
最近は性能も上がつて90%もロスなく室内に戻せるようです。実に良いシステムのように思うのですが、導入コストが前述の換気設備に比べて40~50万ぐらい違うため、経済的にペイするのに10年20年とかかってしまうので、判断が難しいところです。
実は、熱のロスは換気より、外壁、屋根、窓からの方がはるかに大きく、そこを強化した方が効率的ではあるように思います。
現時点では費用に余裕があり、断熱気密性をかなり高めた家において取り入れるべきシステムなのかもしれません。
ただ、面白い仕組みなのでシステム好きの男性クライアントには避けては通れません(笑)