亀岡の家はある設計の打合せの際、クライアントより「家にタイトルのような名前のようなものをつけてもらえませんか、愛着がわくような」ということから、家に名前をつけることになった。家に作品名として地名の名前をとってどこどこの家としたり、建築的コンセプトとして名前をつけたりするが、住まい手と共有できるような名前をつけるとなると、少し悩んでしまった。最初は「4つの庭のある家」「土間のある家」「○○の家」など「~の家」など考えていたがちっとも愛着がわかない。
そもそもこの住まいは北側に広がる開放的な眺めや緑を生かした家にすることが求められた。設計当初その眺めの方向にストレートに住まいを開いていくことを考えていたが、もう少し角度をずらしたり、高さを変えたり、その方向とは反対側も緑で覆い、より家全体で四季の自然を感じられるようにしようと考えた。そこでプランニングを部屋と部屋がある程度区切られたかたちをとりながらも次の空間、次の空間と連続して、その中を住まい手がぐるぐると回りながら常に外部空間を意識できるようにすることで解決しようと考えていた。また熱環境的に家の中の空気を循環させることも同時に考えていた。こういった提案にクライアントもかなり理解していただいていて、「サーキュレーションハウス」はどうだろうと考えていたところ、はたと家を建てるきっかけとなったお子さんの愛称も「サクちゃん」だったのを思い出して、それなら「サークハウス」てなのはどうかということで決定した。最近はかなり愛着がわいてきた。次からの仕事も名前をつけていこうかな~。